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10:重陽の節句
重陽(重陽の節句)
重陽とは、陰陽五行説における最も縁起の良い陽の数、九が二つ重なる意である。
また、昔から奇数が陽数字、偶数は陰数字とされ、一が陽数字の初めで三、五、七そして一番大きい奇数の陽数字が九となる。
その九が重なるお目出度い日であるから「重陽」と呼んで祝ったのである。
陰暦9月9日で五節句の一つ。「菊の節供」、「お九日」「重九」などとも言う。
明治維新より以前は陰暦(旧暦)を使用していた為、新暦では丁度10月にあたるのだ。
中国では気品のある菊の花と香りは邪気を祓い、身体堅固、不老長寿の薬効もあるとされ、漢代の頃から菊花を浸した酒を飲んでいたようだが、日本では奈良時代より宮中で観菊の宴が開催されていた様子が源氏物語にも登場する。
幼い頃"菊の花って食べられるの?"と、聞いた事がある。答えはイエス!だ。
その為、専用品種まである。山形や秋田県など東北地方中心に栽培されている。
ただ、自宅の庭や植木鉢に咲いている菊を食べると苦い。決して美味しいとは言えない。
花を食べる「食用菊」は品種改良してこの苦味を少なくし、ほんのり甘い香りがする。
それを天ぷらや酢の物、お浸し、漬物などにすることが多い。
この菊はもともと花を見るものであったが、冷害の年であっても美しい花を咲かせている菊には、生命力の不思議な力が宿っている・・・と考えられ、この花びらを干して、不作の年の冬に食べる習慣が出来たようである。
重陽には菊飯や栗飯を炊く地方もあるが、新暦を使用する現代では、9月ではまだ菊の花が咲いていない。従って、平安時代のように優雅に菊の花を散らしたお酒を飲んだり、菊の蕾に綿をかぶせ、ひと夜露にぬれた綿で体を拭い(清め)たりと、重陽の節句を祝う菊酒の宴はいつの間にか忘れ去られてしまった。
ところで、旧暦9月9日は"おくんち"でもある。
"おくんち"とは「お九日」。有り難い九のご利益にあやかって「お」を付けたのだ。
あの"長崎おくんち"や"唐津おくんち"は重陽の祭りで最も早い収穫際なのである。
また、"くんち"は九日だけでなく、十九日、二十九日にもある。纏めて「みくんち」とか・・・。初めのくんちには赤飯に菊の花を添え、菊酒を神様に供え、後くんちでは収穫した稲や秋の味覚を神様に供えて収穫祭を執り行ったようだ。
とくに、おくんち祭りには赤飯、御餅、小豆粥を食べるなどの地方行事が残っているところもあるが、今日では収穫祭の起源も薄れて九州三代祭りの一つになっている。
秋祭りは収穫の祝いが基本だが、神輿を担ぎ、もみ合いながら城中や村の中を練り歩く。これは、祝祭のみならず、神様に村の中を散策して頂き、同時に領内の邪気悪気、疫病などを祓い清めて頂くためであり、更に、来年の豊作祈願でもある。
また、今月は神無月。日本全国の八百万の神々は全て、出雲の国に集合すると言う。
まるでサミット会議のようであるが、日本の行く末を考え、その道標を検討して頂く会議ならばこそ、10月は大事な季節である。


井上象英
観象学講究総本部代表・京都比叡山赤山禅院鑑定士
17才で観象学人(易道観象派宗家)の門下生となり、暦法と神道学を修める
後に易学・気学・姓名学・墓相学及び風水学鑑定士資格取得す
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