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9:中秋の名月
毎年9月8日ころの暦に「白露」と書いてある。
これは、二十四節気の一つで、草木の葉に露が白く溜まる風情を表している。つまり一年365日を24通りに区切って、それぞれ季節にふさわしい名前を付けたものである。
その節気の中で最も風情を感じる季節の表象は、中秋(仲秋)ではないだろうか。
仲秋は陰暦の8月15日。仲秋とくればもちろん名月。十五夜の月である。
初秋、晩秋があるから当然、仲秋もある。
現代の太陽暦では、9月8日頃から10月6日ころにあたるが、文字通り秋の真中を指す。
中国では仲秋節と称し、秋の味覚を月に供えて収穫を祝い無病息災に感謝するそうだ。
日本では平安時代の醍醐天皇時代、延暦九年(909)8月15日に宮中でお月見の会をしたのが始まりである。 ―― 「太上法皇、文人を亭子院に召して月影池に浮かぶ詩を賦せしむ」―― と『日本紀略』に明記されている。
しかし、これは武家社会、上流階級での話。当時はお月見に供え物はせず、もっぱら歌舞音曲や詩宴の会で、お月見の習慣が庶民の宴会行事になったのは江戸時代になってから。
江戸中期には、だんごやサトイモ(きぬかつぎ)、柿や栗、秋草の代表であるススキなどを生けるようになり、徐々に現代に近い仲秋のイベント形式に変わって来たのである。
昔、十五夜に供えるサトイモや季節の果物は何処の畑から取ってきても良く、ススキと一緒に供える月見だんごは盗まれる方が縁起が良いとされてきた。中には、7軒分のだんごを盗んで食べると大金持ちになれるとか・・・。
これはもともと、小正月の行事や正月の門松、お飾りものを神社の神前で処分するために各家に集めて歩いたものが、何時からか盗むと言う意識に変貌し、取ることが当然の権利と云う形式にまでなってしまった、とされている。
そのせいか、仲秋を「芋名月」と称することがある。これに対し、陰暦9月13日の十三夜には豆や栗を供えるので「豆名月」とか「栗名月」と呼称している地方もある。
その他、仲秋名月の異名に「望月夜」「端正月」「三五夜」「良夜」などがある。
自然の天候現象を暦に写していた昔は、各月の十五日前後が満月(望)で、殊に仲秋の満月は一番美しく、わかり易い節目でもあった。しかし、この頃は天候に恵まれない事も多く(台風など)、期待はずれの言い訳に「仲秋無月」と云う言葉があるほどだ。
話は変わるが9月の月は一ヶ月にその呼び名を変えることを知っているだろうか?
仲秋の名月(旧暦8月15日)には秋の味覚を月に供え感謝をするが、昔の文人達は、お月見の後にも月に色々な名前を付けて、名残を惜しんで詩宴を楽しんだのである。
十六夜(旧暦16日の月)・・・月の出が少し遅くなり、山の端にイザよって出るから。
立待月(旧暦17日の月)・・・月の出は遅いが、まだ立って待っていられるから。
居待月(旧暦18日の月)・・・月の出が遅く、座って待つようになるから。
寝待月(旧暦19日の月)・・・居待月より更に遅く、寝ながら待つことになるから。
更待月(旧暦20日の月)・・・夜も更ける頃に出るから。


井上象英
観象学講究総本部代表・京都比叡山赤山禅院鑑定士
17才で観象学人(易道観象派宗家)の門下生となり、暦法と神道学を修める
後に易学・気学・姓名学・墓相学及び風水学鑑定士資格取得す
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