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爽快倶楽部編集部


2014..9.1
本当の味方、本当の敵
9.11、2001年9月11日 米国で起こったイスラム系過激派テロリスト集団によって航空機を使った4つのテロ事件の略称である。当時のブッシュ政権は、このテロ事件を起こした国際テロ組織とテロ支援国家に対する悪の枢軸(イラク、イラン、北朝鮮)との戦いを国家戦略とした。それにより、「アメリカの防衛のためには、予防的な措置と時には先制攻撃が必要」として米国は大量破壊兵器を隠し持っているという疑惑を理由に、イラク戦争に踏み切った。この大規模な軍事作戦は米国に巨額の軍事費歳出を余儀なくさせ、現在にいたる。米国は、様々な地域で行ってきた安全保障活動を縮小せざるをえない状況にある。

現実的な財政問題で米国は実際、シリア、ウクライナ、パレスチナ、北朝鮮に存在する多くの問題に積極的対応できないでいる。本来は米国の同盟国であるNATO諸国も、EU全体の経済問題で中東地域への介入はできないでいる。また米国は、極東アジアでは中国の海洋進出に対して、その貿易経済関係で明確な抑止力行使が行えない状態にある。韓国は、米国の対北朝鮮軍事抑止力の低下によって、その肩代わりを中国に求めようとしてすりより始めている。

日本は、こうした状況下にあって、米国の軍事力肩代わりのための集団的自衛権行使に対して動き始めた。それは一概に間違いだとはいえない。集団的自衛権行使の憲法的解釈の正当性の議論は別にして、我々は、世界は変わってしまったのだと、まず認識する必要がある。戦後、占領軍として、その後は日米安保条約の下、日本を防衛を担ってきた在日米軍は、最早、明確に日本を防衛する能力として十分ではない懸念が存在する。

世界のいたるところで紛争が起き、それぞれの紛争に関与する国々の国益を一様ではない。したがって、かっては盟友としていた国々の間で国益の対立が起こりうる。きょうの味方が、あすの敵にもなりうる、そういう状況である。

日本は、やがて好むと好まざると、自らによって国家防衛を行わなければならないときがくる。そのときに重要なのは、防衛を確実に行える軍事力と、いったい誰が味方で、誰が味方となるのかを見極める、国際情勢に対する判断力である。

日本が太平洋戦争敗戦から学んだ多くを、思い起こすときである。現安倍政権、現在の自衛隊作戦参謀に、その能力はあるだろうか?血を流さずに勝つ戦争、それを最上とする、そうした考えとはほど遠いようにみえる。




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