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爽快倶楽部編集部


平成19年5月1日
ケイタイ電話
 ここ十年、人々の生活を変えたものとしてインターネット、ケイタイ電話がある。ともに情報の検索や獲得に非常に大きな力を持つ道具である。だが、これらの機器も中高年の方々、とりわけ60歳以上のいわゆるシニア世代の方々に普及しているかといえば、そうではない。インターネットの利用については、基本的にパソコンという大きな障壁があり、その普及には一定の限界があるのはしかたがないと思う。
 ケイタイ電話について言えば、これほど簡単なものがシニア世代への普及が遅れているのは解せないことである。ケイタイ電話とは本来「電話」であり、電話をかけるという行為はテレビのリモコン操作と大きな違いはない。であるのに、シニア層に対してその普及が遅れているのは、ケイタイ電話に付加された機能をあまりに強調、宣伝しすぎているためではないかと思う。現在販売されているケイタイ電話のほとんどでメールができ、写真が撮れ、機種によってはテレビを見ることやインターネットに接続することができる。だが、前にも言ったようにケイタイ電話とは本来「電話」なのだ。その電話本来の観点から見れば、特別な場所を除いて日本全国いたるところで使うことができる。外出途中で具合が悪くなったとき、知らない土地で迷子になったとき、待ち合わせですれちがってしまったときなど、電話としての機能は大きな効果を発揮する。
 さらに、シニア層への普及の遅れとして使用料金の問題がある。わずかな年金で暮らしておられる方々にとっては毎月支払う使用料金もままならぬであろうとも思う。
 そこで次を提案したいと思う。現在ケイタイ電話を使用しているシニアに方々が月にどれくらいの頻度で電話をかけているか知らぬが、60歳以上の方々全員に毎月電話かけ放題で1000円というのはどうであろう。かけ放題としても、若い人たちのように、そう頻繁にはかけまいと思う。これによってどれだけの高齢者が安心や安全を手に入れられるか、その効果は大なるものがあると思う。孤独死もかなり避けられるのではないかと思う。私も仕事上ケイタイ電話を持っているが、月にせいぜい10回程度かけるのがせいぜいである。電話機はもちろん、政府がケイタイ電話会社から買取り無料で配布する。一度、ケイタイ電話会社の方は考えてみてはいかがであろうか。
 高齢化社会の新しいかたちであろうかと思う。
爽快倶楽部編集長 伊藤秀雄




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