TOP昭和歌謡曲 − あの時、あの歌


爽快倶楽部編集部


第五十九回 田舎のバス(昭和30年) (1955年)
作詞・作曲:三木鶏郎 歌:中村メイコ

1955年、 民主党、自由党の合同によって自由民主党が生まれ、右派社会党と左派社会党が合同し社会党が生まれた、所謂55年体制が始まった年である。国家形態として自由主義と社会主義があり、そのどちらを選択するか、二者択一の時代であった。国民は自由主義を選択し、現在まで至る。その間、敗戦で疲弊した国力は驚異的な経済成長によって世界が瞠目する復興を果たした。この意味で自由民主党のはたした役割は実に大きい。吉田、鳩山、岸、池田へ至る自由民主党の各政治家の手腕に国民は感謝せねばなるまい。
昭和30年代、国力は復興の兆しを見せたとはいえ、ここで歌われているように、それはごく限られた地域のことであった。国道においては整備はされていたものの多くの道に穴が開き、脇道にそれれば未舗装の道路が数多くあった。晴れれば土煙が舞い、雨が降れば泥の川のようであった。交通機関としてのバスは、田舎のバスに限らず、故障続きでよくエンストを起こした。馬力もなく、朝夕の通勤時に満員となたバスは急坂にさしかかると、時に人を降ろして登ったこともある。

田舎のバスは おんぼろ車
タイヤはつぎだらけ 窓はしまらない
それでもお客さん ガマンをしてるよ
それは私が美人だから
田舎のバスは おんぼろ車
デコボコ道を ガタゴト走る

皆様毎御ご乗車下さいまして
有難うございます 早速で恐れ入りますが
只今御乗車の方は乗車券のお切らせを
願います・・・
アンレ、マしょうがネー牛だナー
アーンナ道の真中で草喰いよってサ
こ、これじゃ バスが通らねえでネーかよう
チョ、チョッと待ってなヨ
おらが今おりてチョッくらどかしてくっから!
ヨーシヨーシ(モーウー)
土堤の上で草喰やエーダーそんなところで寝そべったら
バスが通らねえでネーかヨー
ホーラどけってばー
どっこいしょっと(モーウー)
嫌ーって言ったってしょうがねえでネーかホラ
どいてくれって どっこいしょっと(モーウー)
この辺でえーかネ運転手さんヨホントにマ世話の
やける牛おら汗かいちまった
皆様お待たせ致しました
ハイ後車オーライ発車オーライ


田舎のバスは 牛がじゃまっけ
どかさにゃ通れない 細い道
いそぎのお客さん ブーブー言ってるが
それは私のせいじゃない
田舎のバスは おんぼろ車
デコボコ道を ガタゴト走る

田舎のバスは 便利なバスよ
どこでも乗せる どこでもおろす
たのまれものも とどけるものも
みんな私がしてあげる
田舎のバスは おんぼろ車
デコボコ道を ガタゴト走る

皆様右に見えますのが鎮守の森
やがて左に見えてまいりますのが歴史に名高い
雷山雷山でございます
車は只今県境の境川を通過中でございます
(パン、シュッ)
皆様只今車の故障でございます
なおりますまでどなたさまも御迷惑さまながら
暫くお待ちを願います
困ったネエ 今日あたりパーンとくるんじゃないかと
思った おら
アンレ、マこのタイヤつぎの方が多いでないか
しょうがねえナ オンボロで急ぎの客はあるしヨー
ア、ソンダ アハハ
おらええこと考えついただ おらにまかしときなナ
皆様お待たせ致しました
ハイ後車出ます ハイオーライです
発車オーライ (ヒヒヒーン)


田舎のバスは のんきなバスよ
タイヤはパンク エンジン動かない
そのときゃ馬に ひかせて走ろ
それは私のアイデアよ
田舎のバスは おんぼろ車
デコボコ道を ガタゴト走る

今や、その55年体制が崩壊した。かっての社会党はすでになく、わずかそのうちのリベラル派が残るのみである。自民党は野党にくだり、新政権民主党のおよそ3分の一にまで激減した。自民党政治に不満を持つものの、それでもなお、自民党においてしか政権政党はない、そうした常識が覆ったのである。更に、恐らくは、小沢幹事長に率いられた民主党は来年の参議院選挙で自民党の息の根を止めるであろう。そして、そこに新保守たる巨大政党が誕生する。もっとも、このこと事態、かっての自民党の最高権力者が、今や外から自民党を再編するという観点から見れば、保守本流としての自民党の持った基本思想は何ら変わらない。事実、現鳩山政権閣僚においても重要職はすべて旧自民党議員でしめられている。変わったようで、実は何も変わっていないのである。

さて、この新政権は、国民をどこへ運ぼうとしているのか。面白い時代となった。


*「田舎のバス」歌詞より転載
YouTube - 田舎のバス

[この年流行った歌]
おんな船頭唄(三橋美智也)
娘船頭さん(美空ひばり)
月がとっても青いから(菅原都々子)
カスバの女(エト邦枝)
ガード下の靴みがき(宮城まり子)
りんどう峠(島倉千代子)
南国土佐を後にして(鈴木三重子)
島の船唄(三橋美智也)
ちいさい秋みつけた
別れの一本杉(春日八郎)

主な出来事  (昭和30年) (1955年)
1-28 厚生省「覚醒剤問題対策本部」を設置され、ヒロポンの取締りを強化。
2-1 国鉄周遊券を発売。
2-17 横浜市で聖母の会養老院で火災。96名死亡。
2-25 高峰秀子と松山善三が婚約。
3-11 第2次鳩山内閣発足。
4-6 帝銀事件の平沢被告の上告を最高裁が棄却。
4-9 小学校でカタカナよりひらがなを先に学習することが決まる。
4-9 KRTテレビで「日真名氏飛び出す」放映スタート。
4-14 NHKで「私の秘密」放映スタート。。司会、高橋圭三。
4-23 統一地方選挙で創価学会が初めて政界進出。
5-11 高松沖で国鉄宇高連絡船「紫雲丸」が濃霧のため貨物船と衝突沈没し修学旅行の小中学生ら168人が死亡。
5-12 立川町議会、立川基地拡張反対を決議。
5-14 京大カラコルム・ヒンズークシ学術探検隊出発。
5-28 ヘレン.ケラー来日。
6-1 1円硬貨発行。
7- 石原慎太郎「太陽の季節」が文学界に掲載。
7-9 日本発のジェットコースターが後楽園遊園地に登場。
7-15 トニー谷の長男が誘拐され、21日に容疑者を逮捕、無事解決。
7-25 日本住宅公団設立。
7-28 三重県、津市で水泳講習中の女子中学生41人が溺死。
8-6 森永砒素ミルク事件表面化。死亡130人。
8-7 日本初のトランジスターラジオ発売。
9- 50円硬貨発行。
9-3 沖縄で米兵が幼女を暴行殺害(由美子ちゃん事件)
10-1 新潟で大火。被災1193戸、損害約300億円、被災者5000人。
10-12 国鉄、金田正一が1シーズン340奪三振の新記録。
11-1 マリリン・モンロー出演の「七年目の浮気」が日本公開。
11-15 自由民主党結成。
11-22 第3次鳩山内閣発足。
12-13 日本の国連加盟にソ連が拒否権を行使。


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