TOP昭和歌謡曲 − あの時、あの歌


爽快倶楽部編集部


第四十八回 流転(昭和36年) (1961年)
作詞:藤田まさと 作曲:阿部武雄 歌:赤木圭一郎

昭和36年、三度目の紹介になる。この年は実に名曲が多い。この年に流行ったどの曲についても、曲名を聞いただけで歌い出しの歌詞が口をついて出てくる。「流転」、若くして事故死した日活の人気アクションスター赤木圭一郎の歌である。古くは上原敏によって歌われたが、赤木圭一郎の歌として記憶されている方は少なくないと思う。

男命をみすじの糸に
かけて三七二十一(さいのめ)くずれ
浮世かるたの 浮世かるたの
浮きしずみ

どうせ一度はあの世とやらへ
落ちて流れて行く身じゃないか
啼くな夜明けの 啼くな夜明けの
渡り鳥

意地は男よ 情は女子
ままになるなら 男を捨てて
俺も生きたや 俺も生きたや
恋のため


いわゆる当時流行った股旅演歌のひとつであり、アクションスターとして現代活劇に出ていた赤木圭一郎に一見そぐわない感もある。名曲「霧笛が俺を呼んでいる」こそ彼の代表曲であると推す人も少なくなかろう。が、彼の虚無的な激情を表すものとしては、これ以上の曲はないと思う。歌が、彼の乾いた声で歌われるとき、かって上原敏によって歌われた時代背景とはまたちがった時代感覚を映し出し、同時にかれの生き様を映し出しているように思える。皮肉にもこの曲を歌った後、わずかな時を経て、まさに流転の人生を閉じるかたちとなった。

昨今、高齢者には実に住みにくい時代になってきた。どこかでこの歌がひっそりと歌われているような気がする。

どうせ一度はあの世とやらへ 
落ちて流れて行く身じゃないか

確かにその通りである。
浮世かるたの浮き沈みの中、あの世に行く、それが我等の時代である。

[この年流行った歌]
上を向いて歩こう(坂本九)
北帰行(小林旭)
銀座の恋の物語(石原裕次郎・牧村旬子)
スーダラ節(植木等)
王将(村田英雄)
恋しているんだもん(島倉千代子)
東京ドドンパ娘(渡辺マリ)
銀座の恋の物語(石原裕次郎・牧村旬子)
北上夜曲(多摩幸子とマヒナ・スターズ)
君恋し(フランク永井)
硝子のジョニー(アイ・ジョージ)
川は流れる(仲宗根美樹
ラストダンスは私に(越路吹雪)
じんじろげ(森山加代子)
ソーラン渡り鳥(こまどり姉妹)
おひまなら来てね(五月みどり)
武田節(三橋美智也)
24000回のキッス(藤木孝)
山のロザリア(スリー・グレイセス)
コーヒー・ルンバ(西田佐知子)
ルイジアナ・ママ(飯田久彦)

主な出来事 − 昭和36年(1961)
1-1 日本海側の豪雪により国鉄ダイヤが大混乱する。
1-2 喜劇俳優、古川緑波、没。享年57歳
1-3 米国、対キューバ国交断絶
1-11 東海道新幹線に羽島駅の設置が決定され政治駅であるとして批判される
2-14 人気俳優、赤木圭一郎が撮影所内でゴーカートのにハンドルを切り損ねて壁に激突、重傷を負う(21日に死亡)
2-20 米国、ケネディ大統領が就任式演説でニューフロンティア精神を強調。
3-9 福岡県、上清炭鉱で坑内火災事故により71人が死亡
3-15 日光東照宮の薬師堂(重要文化財)が焼失
4-1 第2次池田勇人内閣による所得倍増計画初年度の積極予算成立
4-8 NHKテレビ、バラエティー番組「夢であいましょう」の放送開始
4-11 イスラエルで旧ナチス、アイヒマンの裁判が始まる
4-19 ライシャワー新駐日大使着任
6-4 日本テレビの番組「シャボン玉ホリデー」の放送開始
6-14 荻野昇等は学会でイタイイタイ病のカドミウム原因説を発表
7-3 韓国で軍事クーデタにより朴正煕少将が実権を掌握
7-8 加山雄三主演映画、若大将シリーズ第1作「大学の若大将」が封切り
7-18 チャップリンが来日
8-8 仙台高裁による松川事件差し戻し審で全員無罪判決
8-13 東独、東西ベルリンの間に壁を構築
9-1 日赤が愛の献血運動を開始する
9-15 米国、核実験再開を発表、ネバダで核実験が行われる。
9-16 第2室戸台風により最大瞬間風速84.5m以上を記録
9-20 米ソ軍縮共同宣言
10-1 奥羽本線に特急「つばさ」、羽越本線に特急「白鳥」が運行開始
10-2 大鵬、柏戸が横綱昇進
10-26 文部省の中学校学力テストが全国一斉に実施
12-12 旧軍人、右翼等による池田隼人ら政府要人暗殺クーデタ計画発覚(三無事件)
12-13 ミュージカル映画「ウエスト・サイド物語」が公開


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