TOP昭和歌謡曲 − あの時、あの歌


爽快倶楽部編集部


第十九回 ブルー・シャトー(昭和42年) (1967年)
作詞 :橋本淳 作曲:井上忠夫  唄:ジャッキー吉川とブルーコメッツ

 ベンチャーズ、シャドウズ、アストロノーツに代表されるエレキは当時、若者たちへの絶大な人気とは反対に不良の音楽とされ、特に高校ではエレキを持つことはもちろんバンドを作り演奏することさえ禁じていた。今から考えればわずか20〜30ワットの出力しか持たないエレキの音は、とるに足らぬ音量だったが、ほとんどが木造の安普請の家ではそれでも大音量となって世間を騒がせた。

 日本の代表的エレキバンド、寺内たけしとブルージーンズが登場しベートーベンtの第五や津軽じょんがら節がヒットするようになっても状況はあまり変わらなかった。やがてビートルズやローリングストーンズの影響の下に、エレキバンドを主体にした歌謡バンドが生まれる。これがグループサウンズである。テレビでは勝ち抜きエレキ合戦、セブンツーオーなる若者向けの音楽番組が流行るようになり、グループサウンズが徐々に社会に受け入れられるようになる。

 こうした背景の下に生まれたのがグループサウンズの名曲、ブルーシャトーである。多くのグループが長髪でビートルズを真似たミリタリールックや、ヒッピールックであったのに対して、ブルーコメッツは七三に分けたヘアスタイルとスーツ姿であった。同時に多くのバンドがブームに乗っただけの速成バンドであり演奏も稚拙であったが、ブルーコメッツのメンバーは元々演奏者としての経験が長く各自の演奏はしっかりしており、当時流行っていた他の歌謡曲との違和感もほとんどなかった。ブルーシャトーは発売と共に爆発的大ヒットとなり、この年のレコード大賞受賞曲となる。さらに、この年、ブルーコメッツは美空ひばりの「真っ赤な太陽」の演奏をつとめ、その人気を絶大なものとする。この曲によってエレキは社会に認められ、多くのアマチュアエレキバンドが生まれた。全国町村のどこかでエレキの音が響くようになった。


  森と泉にかこまれて
  静かに眠るブルーブルーブルーシャトー
  あなたがぼくを待っている
  暗くて淋しいブルーブルーブルーシャトー
  きっとあなたは赤いバラの
  バラの香りが苦しくて
  涙をそっと流すでしょう
  夜霧のガウンにつつまれて
  静かに眠るブルーブルーブルーシャトー
  ブルーブルーブルーブルーブルー
  ブルーシャトー

  きっとあなたは赤いバラの
  バラの香りが苦しくて
  涙をそっと流すでしょう
  夜霧のガウンにつつまれて
  静かに眠るブルーブルーブルーシャトー
  ブルーブルーブルーブルーブルー
  ブルーシャトー (*)

 ブルーシャトー、このメロディーは知らぬ人はいないと思われるくらい老若男女に受け入れられた。ブルーコメッツと平行して、タイガース、スパイダース、モップス、カーナビーツ、テンプターズ、ジャガーズ、ビレッジシンガース、ワイルドワンズ、サベージ、ゴールデンカップスなど続々とグループサウンズが生まれて行く。グループサウンズはその後の歌謡曲にも大きな影響を与えた。前年から大ヒットとなった加山雄三のエレキ歌謡と合わせて、この音楽の基本となっているエレキギターとエイトビートのリズムはその後の歌謡曲アレンジの素地となり、さらに70年代に大きく開花したジャパニーズポップスの原型となった。恐らく、ブルーシャトーがなければ、その後のユーミン、サザンオールスターズ、キャロルの成功はなかったかもしれない。

 時代は70年安保改定を前にして学生運動が起こり、羽田で佐藤首相訪米阻止を叫ぶ三派全学連と機動隊が衝突し世間が騒然とし始める中、この曲は全国津々浦々に流れ、日本の歌謡曲に大きな変革をもたらそうとしていたのである。
 偉大なりブルーシャトー、ブルーコメッツ。

[この年流行った歌]
銀色の道(ザ・ピーナッツ)
君こそわが命(水原弘)
夜霧よ今夜もありがとう
恋のハレルヤ(黛ジュン)
小指の思い出(伊東ゆかり)
花はおそかった(美樹克彦)
世界の国からこんにちは
真赤な太陽(美空ひばり・ブルー・コメッツ)
世界は二人のために(佐良直美)
いとしのマックス(マックス・ア・ゴーゴー)
好きさ好きさ好きさ(ザ・カーナビーツ)
願い星叶い星(西郷輝彦)
風が泣いている(スパイダーズ)[
小樽のひとよ(鶴岡雅義と東京ロマンチカ)
新宿そだち(津山洋子・大木英夫)
どうどうどっこの唄(水前寺清子)
モナリザの微笑(ザ・タイガース)
雨の銀座(黒沢明とロス・プリモス)
帰ってきたヨッパライ(ザ・フォーク・クルセーダーズ)(
君だけに愛を(ザ・タイガース)
この広い野原いっぱい(森山良子)
朝まで待てない(ザ・モップス)
僕のマリー(タイガース)

主な出来事 − (昭和42年) (1967年)
1-11 フォークの女王 ジョーンバエズ来日公演。
1-27 米英ソ、宇宙平和利用条約調印。
1-27 アポロ宇宙船発射実験中の船内火災事故で3人に宇宙飛行士が死亡。
2-4 厚生省が始めて原爆被害者実態調査結果を発表。
2-6 米軍、ベトナム戦争で枯葉作戦を開始。
3- 自民党、非核三原則をまとめる。
3-5 第1回青梅マラソン開催。
4-8 フジテレビ、スパイ大作戦放映開始。
4-13 東大宇宙航空研、国産初の人口衛星打ち上げに失敗。
4-15 東京都知事選で社共推薦の美濃部亮吉が当選。
4-18 厚生省、新潟水俣病の原因として昭和電工の工場廃液と断定。
4-25 三浦雄一郎、富士山頂からスキーで滑降。
5-22 法政大学・田淵幸一が本塁打通算10本の六大学野球新記録。
5-31 公正取引委員会、無果汁のレモン飲料の不当表示でポッカレモンなど6社に排除命令。
6-5 イスラエル、6日戦争開始。
6-6 閣議、資本自由化を決定。
6-17 中国、水爆実験に成功。
7-1 EC(ヨーロッパ共同体)誕生。
7-4 首都高速道路、全線開通。
7-8 西日本に集中豪雨。24府県365人が死亡。
7-14 タカラ、リカちゃん人形を発売。
7-17 ジャズ・テナーサックス奏者、ジョンコルトレーン没。
7-19 今井通子と若山美子がマッターホルン北壁登攀に成功。
7-20 動力炉・核燃料開発事業団発足。
7-21 公正取引委員会、松下電器にヤミ再販の停止を勧告。
7-28 ラジオ受信料廃止決定。
8-1 資生堂、男性化粧品、MG5を発売。
8-1 TBSラジオで深夜放送番組パック・イン・ミュージックがスタート
8-3 公害対策基本法公布施行。
8-5 政府、原子力船の母校を青森県むつ市に決定。
8-8 新宿駅構内で米軍タンク車と貨車が衝突、炎上。
8-28 新潟・山形に300mmを越す集中豪雨。死者行方不明138人。
9-28 新清水トンネル開通。
10-1 ニッポン放送深夜放送番組オールナイトニッポンがスタート。
10-8 佐藤首相、第二次東南アジア・オセアニア訪問に出発。3派系全学連が羽田で機動隊と衝突。
10-18 ミニの妖精、ツイギー来日。ミニスカート・ブームが起きる。
10-20 吉田茂没。
11-9 米軍押収の原爆記録映画返還。
11-12 佐藤首相訪米に出発、小笠原の返還決まる。
12-1 帝国ホテル解体。
12-9 都電、銀座線など9系統を廃止。
12-16 シャープ、IC電卓を発売。
12-18 都が銭湯料金、32円を認可。


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